多様性のある森づくり

多様性のある森づくり
多様性のある森づくり

1.人工林の管理放棄・手入れ不足
 ・戦後に植林されたスギやヒノキといった人工林(単一林)が高齢化
 ・伐採は行っても、再造林が行われないこともしばしば
 ・手入れ不足で森林が荒廃し、生物多様性の低下や土砂災害リスクの増加

2.林業の衰退と経済的な課題
 ・安価な外国産木材との価格競争もあり、国産木材の需要が低下
 ・林業は間伐や伐採コストが高く利益が出にくいという特性があり、若者の就業が進んでいない
 ・若者の担い手不足と高齢化により、ますます林業は衰退の危機に

3.森林の多面的機能の低下
 ・本来森林は、水源涵養や土壌保全、生物多様性保全などさまざまな機能をもつが、管理不足で機能が低下
 ・その結果生態系にも悪影響を及ぼしており、獣害の人里への出没が増加、農作物被害も増える一方となっている

4.気候変動の影響
 ・異常気象や地球温暖化といった気候変動により、特定の樹種が枯死、病害虫の拡大、CO₂吸収機能も森林の機能低下により効果が薄くなっている
 ・突発的な豪雨が増えていることもあり、弱った山では土砂災害が増えてしまっている

1.持続可能な森林経営
 ・人工林の適正な管理を行うこと、そして伐採後は再造林すること、このサイクルが適正に行われることが、本来最適化された森であると考えます。
 ・森林再生をテーマとする中で重要となるのが、混合林であると考えています。生物多様性の向上や水源涵養機能の強化、土砂災害等の災害リスクの低下などのメリットが挙げられており、管理が行き届いていない単一樹種の人工林の弱点を補いうるものです。
 ・多様性のある森づくりを目指し、単一樹種であっても、混合樹種であっても適正な管理を行い、放置された人工林をなくしていくことで本来の森林の機能を取り戻すお手伝いをしてまいります。

2.林業の再生と地域活性化
 ・収益性の悪い課題にどう向き合うか。混合林はコスト面も課題だといわれています。
 ・わたしたちが取り組むのは六次産業化です。伐採、木質チップ製造、堆肥、育苗、植樹、子どもへの木に触れ合う機会の提供など素材から製品サービスまでを一貫して行い、林業の付加価値を最大化してまいります。
 ・地元の企業の方々からご支援いただくことで、地域活性化にもつながります。森づくりを会社を挙げて行うことは、企業にとってもPRの機会にもなり、地域が盛り上がる一つのきっかけにもなるのではないでしょうか。

 生物にとっての「多様性のある森」と生物が作りだす「多様性のある森」。生物は人だけではありません。人だけで森づくりは完成しないでしょう。多様な生物が過ごす地球をどのように守っていくか。
 わたしたちの力はほんの微力なものです。しかし、いま日本が抱える森林の課題解決には、わたしたちの暮らしとのつながりを考えていくことが欠かせないことだと考えます。
 「自然は祖先から譲り受けたものではなく、子孫から借りているのだ」という念頭に、持続可能性を求めた活動をしてまいります。

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